帳尻
以前職場で同僚だった男A氏。
話術が巧みなので、当時の男連中はおもしろがっていました。
しかし、セクハラめいたことをさんざんするものですから、
女性陣からは厳しい視線が・・・
買春・浮気などの噂もちらちら耳にしました。
同僚の男性たちは、オフレコにしていましたが、
なんとなく察知できるものです。
今の時代なら、即クビになるようなことですよ。
酔っぱらったふりをすれば、何でも許されるとかんちがいしてる
バカオヤジの典型。そのくせ、恐妻家。
私も被害に遭いました。
冷蔵庫においた果物を無断でとられたり、
髪をさわられたり、
「おい、化粧しろよ」←これにはカチンときましたから、
「よけいなお世話です!あなたこそ奥さんの心配でもしていたら?!」
と切り返しました。
私は、素顔の健康が一番だと思っていますので、あんまりメイクは
したくなくて、せいぜい口紅程度です。
基礎化粧品(化粧水・乳液など)は、大切に考えていますので、
なるべく添加物の入っていないのを使います。
細かいことは限りなくあり、彼に泣かされた女性はたくさんいました。
それがなんと!組織のトップの座に就いたのです。
みんな、ぶったまげました。なんであんなのが・・・!?
どんな政治力や人脈を使ったのかと噂がささやかれました。
それから数年がたち・・・あと1年で定年を迎えるA氏。
「ボケ」じゃなかった、「認知症」になっているそうです。
トップ連中からは、相手にされず、あいかわらずいろんな不祥事を
重ねているらしいですが、組織ゆえNO2の補佐役が、うまく
フォローしているとか・・・
もっとも、そこの部下のみなさんは忍耐の一字だそうで、
本当にお気の毒です。
人生うまく帳尻が合うものだなと痛感しました。
結局、自分が蒔いた種は自分で刈るしかないのです。
汚いやり方で世間をうまく渡り歩いてるように見えても
実情はこんなものだと思いました。
リタイアした後のA氏を、慕ってくる人はいるのでしょうか。
権力者だから仕方なく従いこそすれ、やめれば「タダの人」
信頼できる人間性が、晩年の人生を実りあるものにするのです。
私、女性としてくやしい思いをたくさんしてきました。
封建的な職場独特の男尊女卑。
でも、こういう人の姿を見せられると、権力志向のむなしさを
しみじみ感じます。
なんか・・・見せられているなあ。