narinattaのスイートプラン

気ままなライフ日記

ぷかぷか

桜雨。せっかく咲いたのに…雨が降って気もそぞろになりました。夜、花盛りの道のフォトを撮りました。帰ろうとしたら、また雨がぽつりと。いいタイミングでした。後日、紹介しますね(^.^)/~~~

さて、以前に書いたエッセイを載せたいと思います。『ぷかぷか』という題名。


子どもの頃、海のほとりで生まれたので、潮鳴りを子守歌代わりに育ちました。夏になると、入道雲と友に誘われてサクマドロップをポンと口に入れて、パンツ一丁で浜まで駆けっこ。白い砂浜、穏やかな凪と潮風に頬を撫でられ人魚のように波と戯れました。かっこ船、ガラスの浮き玉が太陽に反射して輝きます。護岸工事をしていなかったから、あの頃の海は油臭くなくて、どこまでも青く透明なのでした。
ぷかぷかぷかぷか…仰向けになり漂うのが好きでした。泳ぎ疲れると、紫の唇をわなわな震わせながら、焚火を囲んで岩肌から素手ではがしたウニやアワビを食べたものです。浜の焚火を「インケ(円形?)焼き」と呼びました。ムール貝(しうり貝)やツブ貝を浜ゆでしたりも。満腹になると熱い砂浜に腹ばいになり、みんなで昼寝。あの頃の子どもたちは、みんな明るかった。ただただ楽しかった。
 コロナ禍の時代、マスクをして校歌を歌うこともできなくなった子どもたちが不憫でなりません。たくさんの思い出作りを共有できない子どもたちの数年を取り戻すことはできませんが、せめて春には春の、夏には夏の生き物と友達になってほしい、おおらかな海や空や土と戯れてほしいです。「自然の美しさに気づくことによって、人間はエネルギーの場を観察することを学ぶ」と何かの本にありました。素直な自分を肯定して生きていこうと思います。目に見えるもの、見えないものの向こうにある偉大な知恵を探したいです。
 


夏の雲ふはふはのパン焼きあがる
 

 

イタリアンパセリ