おわら風の盆
残暑がとっても厳しい昨日、今日。
どこか涼しい所はないかしら~と猫のように
風の道を探しています。
昨日から、仕事で職場にいます。
同僚は、休みだったり出張だったりで
ここにいるのは、ほとんど私ひとり。
決まって今頃になると思い出すのは、「風の盆恋歌」。
高橋治氏の恋愛小説です。
20代のころ、シルバーグレイの年配教師に勧められた本でした。
すごくセンスのいい本ばかり、教えてくれたの。
9月の八尾町は、もう人でごったがえしのお祭り騒ぎでしょうが、
昔の「おわら風の盆」は、寂しさと憂いを秘めた美しいものだったのでしょう。
編み笠を深くかぶった処女の、うなじの白さ。
風と海と月を背に、独特な胡弓の旋律で舞う姿は、
女の私でもゾクッとする妖艶さです。
明かりがないからいいのでしょう。
ガンガンにライトアップされたら、魅力が半減します。
雪洞(ぼんぼり)だけを頼りに、坂を往来するのが、
別の世界を結び往来する、能舞台の橋掛かりに近いようにも思います。
蚊帳の中から 花を見る 咲いてはかない 酔芙蓉
若い日の 美しい
私を抱いて ほしかった しのび逢う恋 風の盆
石川さゆりさんの歌。
にょほほほ~~。ええなあ~~。