narinattaのスイートプラン

気ままなライフ日記

下駄のかなしみ

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雪駄

▲いつもは非常時に備えて生徒を救出できるように
 スニーカー(ズック)を履いています。
 ピンヒールなんかもってのほか!
 もし地震や火事があったら、ピンヒールやサンダルでは
 生徒を救えないからです。
 でもね~、この猛暑ではズックは蒸れて、
 水虫や疥癬(?)になってしまいます。
 毎年、夏季講習用に履いてた「雪駄(せった)」の
 鼻緒が伸びて
 歩きにくくなったので、緒の修理をお願いしようと
 勤務地の下駄屋さんを調べて電話しました。
 そしたら、
 「おばあさんがやっていたのすが。。今はもう・・」という
 奥さんの返事。
 「一応お伺いします」と言って
 学校から車で数分の下駄屋さんに着きました。
 いかにも、新品を仕入れていない風のしもたや。
 鼻緒の伸びた下駄を見せたら、修理不能だと。
 新しいの、ありますか?と買ったのがコレです。
 赤い鼻緒が、キュートでしょ。
 草履よりも雪駄のほうが、かかとが低めで安定してるの。
 これだと緊急時にも走れる。
 江戸の同心たちが履いていたのが、この雪駄です。
 値切ってないのにおまけしてくれて!520円なり~♪
 「もう、廃業しようと思って・・・」とおばあさんが
 うつむいてつぶやくのが聞こえました。
 お店には、昔の職人さんが精魂こめて作った桐下駄や
 和装履物がまだ棚に並んでいます。
 かすかにほこりをかぶりつつ・・・
 滅び行く和の職人芸のかなしい末路を見て
 胸がせつなくなりました。
 もったいない。
 かといって、現代人が日常、下駄を履くことは
 もうないだろうと・・・。