narinattaのスイートプラン

気ままなライフ日記

告白

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『告白』

久しぶりにレンタルDVD借りてきた。
『告白』湊かなえさんの小説の映画化。

なんだかな・・・あんまりだな。
ノミネートされてたアカデミー賞を逸したの、納得。
映画館で観るかどうか迷って、結局行かなかったのが正解。
こういう怖い学園物って神経を逆撫でする。
良くも悪くも、演技する子ども達の気味悪いくらいの
達者さときたら、、。
後味の悪さときたら。
HRTの話がかき消されるほどの、中学生の悪辣さが
「この国の教育現場の日常」だと?
評判が良いからといって、作品の出来が良いからといって
私にとって良い映画とは限らないという
わかりやすいサンプルだった。


以前、
全国高校演劇大会で
『河童』という作品が最優秀賞をとった。
録画したのを見せてもらった時にも似た不気味さ。
救いのなさ。
1人の女子生徒が河童に変身していく過程で
「いじめ問題」や」差別」というテーマを提起して
主役の女子の鬼気迫る演技が圧巻で、
むしろその迫力が、この時代の持つ陰湿な空気感を
あらわしていたのだけれど。。
次の生徒が感染して、河童に変身していく、
イジメや差別も・・・
そうやって伝播していくって、暗澹たる終わり方だった。


文学にしろ、映画にしろ、表現や創作するものって
「救い」がないのは、人を幸福にしないんじゃないかな。
どんなに悲惨な極限状況でも、かすかにでも救いの光があれば、
カタルシスにつながるんだけれど、
生きる力になるんだけれど、
そのまんま、露悪的にさらされても
受け取る側には、後味の悪さが残るだけだ。

創作する側は、問題提起するだけで、
あとは受け取る人がそれぞれ考えてくださいっていうのは
「逃げ」じゃないかな。
世の中に「反吐」を垂れ流して、それを浄めもしないなんて。

その『河童』の
脚本書いた教員に、
人づてに私のコメントを伝えてもらったんだけど
ちゃんと届いただろうか。
聞くところによると、
「生徒が、ああいうエンディングを求めたから」とか。
それを良しとして迎合するのが
彼の教育方針なのか。
ああいうのが今時の高校演劇の「最優秀」なの。

この映画のエンディングにも同じことを感じた。
私は
そういうのは嫌いだし、観たくない。

それよりか
ケンタとジュンとカヨちゃんの国』のほうが
はるかに深くて潔い。ポジティブな作品。
終わりに
安藤サクラさんが、口をぬぐって
昂然と大地に立つ姿は
生きる力(母性)を象徴していてカッコ良かった。