narinattaのスイートプラン

気ままなライフ日記

先住民族

 北海道に先住民族アイヌの人たちがいて、大和朝廷倭人)による侵略で迫害され、加えて同化政策で、
今や少数民族になっているという浅い知識しか持っていない私です。
今回、大会初日に「アイヌ・アート・プロジェクト」のアイヌ音楽を聞き、札幌大学副学長の本田優子氏の「アイヌ文化と文学の魅力について」の講演を通して、深い深い感銘を受けました。
 
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ムックリという、アイヌの代表的な楽器(日本語では一般に「口琴」)、から次第に大きな歌と演奏になり、
ボーカルのリーダーの方のトークがまたすばらしく、今までのアイヌの歴史と今を生きる民族の誇りを感じさせるものでした。心が揺さぶられて、涙があふれてとまりませんでした。これこそが「ロック」だと実感。
 
 続く 本田優子先生の講演が、また非常にすばらしいものでした。
 
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 民族問題を歯切れ良く説明してくださり、いかにして同化政策により先住民族であるアイヌの民が苦難を強いられたか、言葉も仕事も奪われてしまったか。大陸との交易が盛んであった昔、アイヌの思想や哲学が自然と融合したスピリチュアルな文化であったことを、二風谷というアイヌの人々の村に移り住み11年間暮らした ご自分の体験を基にわかりやすく、お話されていました。
もっとお聞きしたいくらい深い内容ばかりで、パワーポイントを効果的に駆使して、
今まで知らなかったアイヌの人々の暮らしや現在の危機的状況を知ることができました。
「日本は単一民族の国」という間違い。鉄や文字を持たない民族の優しさは、東北全体にも言えることでもあり。
口承文芸は「語る言霊」を持った者たちの特権でもあったこと。
アイヌの神話の中には、「ドラゴンボール」に良く似た少年英雄叙事詩があることなど、とても興味深いお話ばかりでした。うちの生徒達にも、聞かせたかった。
 本県にはアイヌ語の地名や方言がたくさん残されています。八世紀にアイヌの長であったアテルイが朝廷軍によって滅ぼされた史実を知る人も少なくなって。「ねぶた」の起源が、倭人によるアイヌ民族の撃退だったという説を鑑みれば、あまり良い祭りではないとも思えます。坂上田村麻呂賞というのが、以前、優れたねぶたの山車に冠されていて、私などは以前から違和感をもって眺めていました。
このごろは、そういう名前の賞が消えて、「ねぶた大賞」に変わっているようですが。
 言語学者民俗学者金田一京助氏は、「アイヌ語研究家」であったことを、ふと思いだし、
機会があったら読んでみようと思いました。
うまく説明できませんが、
アイヌ文化には、今の日本人にとって、とても大切な「鍵」があると直感します。