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気ままなライフ日記

橋引

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写真引用

600年前から伝わっている石巻雄勝法印神楽の演目に
「橋引(はしひき)」というのがあるそうです。

川に橋を架けようとしましたが、うまくいかず、神様に祈願したら、
近くに住む女に託して、有馬明神の社の境内にある、
伊会杉という見事な杉三本を伐採し、
使用させればうまくいくとのお告げがあり
そのとおりにしたら見事に
橋を架けることが出来たという舞いです。

その近くにすむ女の名前は、
乙鶴御前(おとつるごぜん)といい、
かつて伊会杉(いえすぎ)の下で雨宿りしたときに、
御前が詠んだ和歌

「人ならば契りも深き伊会杉の
          今も情けを忘れがたらむ」

(訳 もし杉が人であるならば、契りも深いであろう
   伊会杉よ・・あなたの情け(雨宿りさせてもらった感謝)を
   今も忘れることはできませんよ」
   
この和歌は、自然杉と人間を結ぶ感応(人と大地の一体化)を詠んだもの。
神楽の歌詞は、極めて象徴的なものであったわけです。

岡野さんが、続編『陰陽師』の安倍晴明
雄勝の硯ですった墨で描写しているときに
耳元に聞こえてきたささやきが
「オガツ・・・オガツ・・・」という言葉であったと。
岡野さんは、しばしばそういうサニワ的な感応をする方で、
気づいたら、
雄勝神楽師のHPの掲示板にメッセージを書き込んでいたそうです。
雄勝町には「阿倍」姓の名字が多い土地柄というのも、大いなるシンクロ。
万物に生命があり、それをつなぐ橋引という神楽の意味は深いのです。
壊滅状態になった雄勝町、無一物の1人の若き神楽師の、最近買った物が
「篠笛」で・・・まさに現代の博雅(ひろまさ)ではないかと。

そういう人との出会いと、橋引の神楽の「ポジティブな祈り」を
静かに語った岡野さんでした。
涙がとめどなくこぼれ落ちたのは、私ばかりではありません。

そういえば
古事記の弟橘姫命(オトタチバナヒメノミコト)は、
純愛の女神です。 神話の中では、
ヤマトタケルを一途に思い続ける巫女として登場します。
mamaさん、手弱女ですよ♪
600年前の日本人の精神性の高さに圧倒されます。