犬供養
昭和30年頃、日本の乳児の死亡率は世界の中でも
5位を占めるほど、高かったようです。
難産・死産など、母子共に命に関わる危険がともなう中で
生まれてきた命。
子安神社や如意輪観音・鬼子母神の信仰が厚かったのは、
生まれたくても生まれることが出来ずに、仏になった「水子」が
たくさんおられたからでしょう。
房総半島では、観音信仰とともに
「犬供養」「犬卒塔婆」の慣習があるようです。
犬の霊を供養することで、安産のご加護をいただこうとする
心意のもとに、行われた習俗。
犬は出産が軽いので、それにあやかって、犬印の腹帯なども。
「犬馬主を恋う」
犬の従順な性質は、人を癒す力があります。
春光がやわらかく降り注ぐこの季節。
犬と出会い、犬と別れ、
私たちは、大いなる愛を知るのです。