教育を蝕むもの
教育を蝕んでいるのは、何だろう。
子どもたちの、「ムカツク」「キモイ」「ウザイ」という
口癖を、どうしたら止められるだろう。
マスコミ?大人?国?
犯人捜しをしても始まらない。
今、教育に携わっている人間がどうにかしなくちゃ。
このままの状態が続いてゆけば、10年後に日本社会は
「学ぶということの意味がわからない、労働するということの意味がわからない」
大量の「元・子ども」をかかえ込むことになるだろう。
先日、高校2年のクラスで、
学ぶことのモチベーションを高めて欲しいと思い、
「5年後の私」というテーマでシミュレーション作文を書かせたところ、
人の役に立つ仕事に就きたいという生徒は、1割程度。
ほとんどが、「楽しく平凡な生活をしている」
「バイトしまくって、いい車を乗り回す」
「○○の仕事をして自分のしたいことをしてENJOY LIFE!」
「先のことはわからない」
「悪いことをしないで必死で生きてればいい」
「ディズニーランドスタッフをしてメッチャ楽しい!」なんてのもあった。
思った以上に書けていたが、ポジティブな幼稚さ全開の内容が多かった。
今の努力なくして、夢が実現しないことを
ちゃんと認識してるのかどうか・・・わからない。
なんとかなるんじゃないか~、という他力本願な気分。
スキルを身につける地道な苦労をしていないから、こんなものか。
これは、社会的能力を欠いた彼ら自身にとっても不幸なことであるが、
それ以上に、彼らを保護するために莫大な社会的コストを要求される
国民全体にとっても不幸なことだ。
現に、離職者が多いから高卒は採用しないと決めた企業も多い。
弱肉強食の市場原理。
「学ぶ」ことができない、
「学ぶ」ということの意味がわからない子どもたち。
保護者も「本人の自由に任せています」とあっさりしたものだ。
それは、養育責任の放棄だと思う。
親として「社会人としてあるべき姿」を示すことも、
導くこともせず、「友達感覚」で子どもと距離を置き、
「物わかりの良い親」ぶっているが、
本当は、自分のことしか考えていない親が多いんじゃないか?
そういう意味で子どもたちは、被害者である。
「学ぶ」とはどういうことか、誰も教えてくれなかったのだから。
「学び」モチベーションがないから、明日が見えない。
「学ぶ楽しさ」を知らない。
形だけの暗記を、「学び」とかんちがいしてしまう。
子どもたちに「自分にとって意味があると思うことだけをしなさい」が
「学び」につながるとも思えない。
ある一人の女子生徒が、
「海外にはばたくために、夜の商売をしてお金をかせぐ・・笑」
「金」!!子どもの幼い頭でそんなことを作文に書くって !
(私は、夜の商売が悪いと言うのではない。
軽いノリで書く生徒の甘さにショックを受けたのだ)
自己責任だから勝手にすれば~と言い切れる問題じゃないだろう。
幼稚な子どもが生む子どもが増殖していった先は、
「国民総六歳児」への道。
「ウザイ」「ムカツク」「キモイ」の単語でしか自己を語れない
「痴的日本人教育」を止めるためには、
経済至上主義システム社会をなくし、
精神性を重んずる社会にシフトするしかないだろうと思う。
コモンセンスを持った大人になってほしい。
キーワードは「土」。
命の教育。感謝。