盆踊り
霊供膳は、お赤飯・煮しめ・大根の酢の物・春菊のごま和え・お吸い物。
お盆と言えば、踊りがつきもの。
盆踊りの由来は、本来、お盆に戻ってきた精霊を迎えて慰め、
これをまた送り出すために始まった仏教行事です。
今は、ずいぶんと賑やかですが、昔はお寺の境内に櫓(やぐら)を建て、
その周りをゆっくりとした民謡に合わせて深夜まで踊り続けるのでした。
灯りも少なく、満月の明るさだけが頼りの、幻想的な光景でした。
生者と死者が融合した「せつなさ」と「晴れがましさ」。
地域の結びつきが深く、帰省した人々の再会の場や、
男女の出会いの場でもありました。
男女の恋の掛け合い唄。
盆踊りの歌詞に色恋ものやきわどい内容が多いのはそのためで、
人々は年に一度の盆踊りに様々な思いを託しました。
本来、盆踊りの晩(旧暦7月15日)は満月ですから、
月の引力の影響で人も高揚するのです。
なにゃどやら なにゃど なされえの なにゃどや~ら ♪
私あ音頭取って踊らせるからにゃ 夜明け鳥の渡るまで ♪
踊り踊らば姿態(しな)よく踊れ 姿態のよいのはわしあ嫁に ♪
盆踊りは、いわば「メメント・モリ」← ラテン語
日本語では「死を想え」「死を忘れるな」の体現化したものだと思います。
今を大切に、生を謳歌するということから、
年々、盆踊りは派手に変容を遂げていったのもうなづけます。
「YOSAKOI」が、そのいい例です。
音楽もロック調だし、コスチュームも化粧もタカラジェンヌみたいだし、
あれはあれで、ダイナミックでいいですが、
「おわら風の盆」のような
切々とした哀愁ただよう踊りの方が、私は好きです。 ↓
http://www5.nsk.ne.jp/yamada-nu24/owara.htm(右下の画像クリック→動画)