餅花
餅花のかがやく南部奥座敷
門打ちに鹿の来てゐる小正月
蹠(あうら)はや感覚のなし松藻摘む
剪定の鋏の音や観世音
薪ストーブに迎へられたる友の家
かね下駄も馬橇の道も遠くなり
梅一輪媚びず同ぜず諂(へつら)はず
仮の世に何を残すや鏡餅
鏡餅木の椀を吹くお善哉
大寒や真青の空の塔光る
生けるものみな息白し自動ドア
パチパチと薪ストーブの保護者会
大寒の地震警報夜のラジオ
かき揚げやサクサクとした雪が降る
主宰が選んで下さった句
狼のごとしひっかき傷なめる