あめつちのひびきあふごと銀杏散る ☆☆☆
新米のこぼれを掬ふ掌(たなごころ) ☆☆☆☆
ハロウィンの光宿すや窓飾り
落葉ふみ石段のぼる遍路笠
消毒の布翻り冬落暉
藁塚の暮色一人のかくれんぼ
土手かぼちゃ抱へて尻を拭ひけり
雨匂ふ縄文遺跡秋の蝶
こほろぎの鳴きつぐ宿の夕明かり
千年の欅の瘤や秋澄めり
真二つに南瓜切り裂く女かな
観音の胎内めぐり霧時雨
ぬかづきて泣く子はいねが霧しとど
イケメンの太きもみあげ案山子立つ
歩を止めて兵士の見ゆる小春空
サーカスの覗きからくり夜の長し
種採りて瓶に日付のラベル貼る
グラタンのこんがり焼けて秋日和
コスモスや金剛杖の鈴軽し
14日「小春」兼題〆 27日「12月」〆