おわんをおろしました。シラスとルッコラのおぼろ汁。
漆椀は、いい!
両手に包んだ触感と、椀口のやわらかさが、
なつかしく、美しいのです。
この器、だいぶ前に届いていたのに、
夫が「ま~だまだ・・」と時間をかけて乾燥させて
今夜やっと。
長梅雨や赤いべべ着たお地蔵さん
今日は研修会で出張。
雨のそぼふる道で信号待ちしてたら、
ふっと、お地蔵さまが祀られているのが見えました。
おそらく交通事故の子どもの供養なのでしょう。
赤い着物に雨が滲みていて、哀れを誘います・・(合掌)
午後、研修会の講師として
お笑い芸人ヒロシさんの著書『ヒロシです』の話をしました。
『「本を読む子」は必ず伸びる』樋口裕一 (すばる舎) にも
お薦め本として『ヒロシです』が載っていたので ビックリ!
樋口さんは、作文・小論文指導の大家として著名です。
やはり、わかる方にはわかるのですね~。
紹介文を引用します
「哀愁の吟遊詩人、ヒロシのネタを200編ほど集めたお笑い作品集。
すべてに本人の解説つき。切なさと笑いに満ちた1冊。
ユーモアの基本である自虐を学ぶのにいい。」
引用終わり
ヒロシさんのお笑いスタンスは、前に前に出るうるさいギャグ連発ではなく、
言葉の余韻を感じさせるものです。
人って生きてるといろんな恥をかきます。
こっぱずかしい生き物です。
コンプレックスや欠点を隠したいのが常ですが、
それををバネに、自分を笑い飛ばすくらいになると
実はスゴイところに自分を行かせることができるんじゃないかと。
ヒロシです。
触ってもいないのに手から草の匂いがするとです。
ヒロシです。
俺のサドルがありません!
ヒロシです。
引きこもるほどのお金がありません!
ヒロシです。
それは野良犬ではなくて うちの犬です。
これらは、もうすっかり有名になったネタですが、
泣き笑いの人生そのものを自虐で笑うヒロシさんの実体験でもあり、
すべての人と共感しあえる「文学」に昇華されたものと言えるでしょう。
実はその自虐を明治時代の文豪、夏目漱石が作品化していたのです。
『我が輩は猫である』『坊っちゃん』です。
猫の視点で描かれた、くしゃみ先生は
エラソーに見せても、書斎で一人になると
よだれをたらして寝てばかりいる どうしようもなさ。
『坊ちゃん』の中のアカシャツこそ、実は夏目漱石自身であること。
アカシャツ的生き方しかできない自分を客観視して、その痛みを知っている。
だからこそ、情けない世の中であっても 信頼と正義を願うのだと。
自虐とは、自分を茶化すことであり、自己批評の最たるものです。
森鴎外にはそれができなかった。
「オレ様」意識がはびこる社会ゆえ、逆に「自虐性の中にある強さ」に
人は感動を覚えるのだと思います。
ヒロシさんの文学性は、夏目漱石につながるという所以なり。
・・・てなことを言ってみたりしました~~♪
ヒロシさん、こんなふうに宣伝マンしてるわけよ!(^_^)/へへ~