白鳥
白鳥や悲恋伝説残る湖(圭治)
暁の空繭色に白鳥来(恵子)
白鳥の首をゆるめて眠りけり(narinatta)
今夜のNHK教育テレビ、金子光晴さんの番組を見た。
去年夏、東京の古書店で、
詩人・金子光晴の「三人」と題した手書きの詩集が発見された。
昭和19年、妻(愛称チャコ)と息子(愛称ボコ)の三人で
山中湖畔に疎開していた光晴が、
家族三人の詩を清書して作った私家版の詩集。
そこには、家族への愛情と反戦の信念が素直につづられている。
「この生きている眼でボコをみることができる。
そのよろこびを分りあうのは父とチャコと二人だけだ。
人よ。こまやかな人間の生を、なぜもっといつくしまない。
夜々、重い爆弾を抱いて人の街のうえにはこぶのは誰だ。
また誰のために何を守るのか。
むなしいもののためにさらに むなしいあらそいよ。」
(『裏富士にて』より)
麿赤兒(まろ・あかじ)さんの朗読がすばらしかった。
大森南朋さんのお父上。
存在感が、どことなく金子さんの晩年の姿に似ている。
「反骨」
狂騒の時代に、愛するものを命を賭けて守れるか。
この時代にも底通するもの。
センター試験が終わる。