もう〇時を過ぎました。
映画鑑賞の報告をします。 大作でした。 豪華キャスト。
残念ながら、役所さんには感じられませんでした。(私見ですが役所さんの演技は・・・)
以前なら歌舞伎役者が、ベール越しに顔を見せずに、言葉も少しだけという距離感でした。
本木さんは見事に「素」で、演じきってみせた。メガネと付け髭で全く違和感がありません。
天皇役を演じるというのは相当なプレッシャーであったと思いますが、やりきりました。すばらしい気品。
彼の天皇役が今までの誰よりも最高です。 思いが伝わってくるの。
あの悲しみを演じられる役者さんは、そうはいません。
今上天皇もその悲しみを受け継がれて鎮魂の祈りを捧げられる日々を過ごされていますが、皇太子さま・・・。
この時節柄、父と一緒に観られたことは良かったと思います。
父も志願しようとしていた軍国少年だったし、父の先輩たちは皆戦場に赴いています。
前にいる校長先生たちは、泣いていたそうです。
この戦後は、風化させずに永遠に語り継いでいかなくてはなりません。
この映画、「国体護持を強調しすぎ」 という感もぬぐえませんが。
原爆を2度も落とされ、ロシアも攻めてくる、焼け野原になっても、
まだ徹底抗戦を主張して譲らない陸軍青年将校たちの狂気。
彼らはまだ勝てると真に思っていたのか、自己の尊厳や存在意義にしがみついていただけなのではないか。
沖縄の人々が地獄の苦しみを味わっている事などは一切考慮になく、
「国体の護持」を最大の降伏条件として掲げた大日本帝国。 日本人っていったい・・・。
そもそもいったい誰が戦争を始めようとしたのか?
戦犯として処罰された軍人とだけ括れない日本人気質というものが恐ろしい。
時代の空気とでもいうか、当時のマスコミというか、国民性とでもいうか・・。
責任者がはっきりしないというのも、いつものことで、歴史で明白です。
始まった戦いを終わらせる重い役を任ぜられた鈴木貫太郎氏は、79歳の引退した身です。
ひたすら辞退する鈴木氏に天皇は「もう頼みになるのはお前しかいない」と言い、
得た人でした。その命を救ったのが夫人のタカさんなのですが、もしタカさんがいなければ、鈴木氏は亡くなっていて、今の日本はなかったでしょう。
もしかしたら日本は分断されて北海道・東北はロシア国になっているかもしれません。
タカさんは、幼少時の昭和天皇のご養育係であったいう縁の不思議を思います。
鑑賞後、お蕎麦が食べたいという父と「鶴よし」でおろしそばを食べて帰りました。
食事中に妹からメール。
「お姉さん誕生日おめでとう。うちのドアにプレゼントかけておいたからね~(*^^)v」
「今お父さんと映画見てお蕎麦食べてるよ」と返事すると
「え?何見てるのデズニー?」だって。
「戦争映画だよ(笑)」
「・・・沈む~~」 だって。
父がデズニー見るわけないじゃん、まったく(苦笑) 妹はいくつになっても妹だわ。
父は、「鶴よし」のお蕎麦がたいそうお気に入りでした。
良かったわ、連れてきて。
たまに大きな街に連れ出さないと、心身が鈍りますからね。 また誘おうっと、87歳の父を。