昼下りの午後、動くのは秋の蝶と落葉だけ。
ブランコも滑り台もジャングルジムも、ぼんやりと人待ち顔。
木洩れ日が、人の世の感染病など無縁のように降り注いでいます。
厄介なのは、感染源を突き止めるために人の行動経路を徹底的に追跡されること。
個人情報もすべて調査される恐怖。芋ずる式に奪われていく自由。
遠くに旅をせずとも、たくさんの美しい景色が満ちあふれているのに、
なぜあくせくと
移動したがるのか、わかりません。
紅玉(こうぎょく)という貴重なりんごをいただきました。
強い酸味と滑らかな舌触りを特徴とする中型のリンゴで、アップルパイなどに
最適です。
ただ、劣化が早いので、市場販売ルートにのるのが難しいのかもしれません。
年々、作る農家が少なくなりました。
すぐに生でいただくか、製菓用に加工するか。
子どもの頃、紅玉の鮮やかな紅色と甘酸っぱさが大好きで、皮ごとかぶりつきながら
本を読みふけっていました。
シニアになって、かぶりつくことはなくなりましたが、
甘酸っぱい思い出と
秋の果実を待ちどおしく憧れる感受性は、まだ消えていません。
そして
燃え滾る情熱も…。