漁師さんは、潮風で鍛えられて歌声がすばらしい。
海と光と民族の歴史が育んだ「ファド」 ポルトガルの民族の歌。
それは、あらゆるジャンルを超えて人の心を打つのです。
アマリア・ロドリゲスは、港の労働者であった父のもとで、
貧苦に耐えて育ちました。
波止場でオレンジを舟乗りたちに売りながら、歌い歩いたそうです。
美声ではない、しゃがれた飾り気のない声。
お祭りで歌のコンテストに出場後、スペイン・イギリス・ブラジル
そしてパリのシャンゼリゼ劇場に立ちます。
フランス映画「過去を持つ愛情」で主題歌を歌ったのが絶賛され、
ついに名声を確立。
フランスのエディット・ピアフと並び称されるようになりました。
5回、来日してもいます。
庶民の悲しみ、あきらめ、同時に抜けるような青い空と南の海の明るさと、
ギターラ(マンドリンみたいな弦楽器)の哀愁と可憐な響きが調和した
純粋な魂がそこに流れているのを、強く感じました。
車の中で聞いてると、アマリアのパワーとやさしさを
分けてもらえるような気がします。