かつて温泉場の近くに住んでいたことがありました。
しんしんと凍る星を仰ぎながら、樹木がまるで
雪のトンネルみたいにつながって、
さくさく雪を踏みしめながら
温泉から帰る道すがら、髪の毛がカチンと凍り、
棒状になったタオルを、もてあそびながら
母や妹と
笑ったりすべったりしながら家に着くのでした。
ホンの10分くらいの距離だったけれど、
あの澄んだ空気は、幻想の世界でした。
で、
焦がれるのは・・・沖縄です。
向こうはあったかいだろうな~~と思いつつ
今夜のETV特集(教育テレビ)
西表島の特集を見ました。
島の80%が原生林に覆われ、
青いサンゴ礁に囲まれた西表島。
いま本土から若者の移住が相次ぎ、
離島でありながら人口増とベビーブームが起きています。
太古から続く森と神々とともに
ゆったりと生きる人々の姿に憧れて、移住する若者たち。
古老に教わりながら米や野菜を作り、
季節ごとに山海の幸を捕り、
自給自足に近い暮らしをしています。
物質的に不自由な島の暮らしになじめず
去っていく若者も多いなか、
古老から伝統の暮らしを学ぶことで、
“生きる”ことの本当の意味を知ったという人も。
“ムラ”の暮らしに価値を見いだす若者たち。
大自然の森が織りなす壮大な四季のドラマ。
その自然に宿る神々に祈り生きる人々…。
辺境であるがゆえに残された“古の暮らし”
そこには、
これからの新しい生き方のヒントがあるようです。
加速から減速へ。
何かがすでに動きはじめているのではないでしょうか。