ミヨリの森
少女の心の成長と森の生命力を描いたアニメ。
心を閉ざした少女が森の精霊たちと出合い、心を癒やされていく。
小田ひで次原作、奥寺佐渡子脚本、山本二三監督。
不仲な両親の間で育ったミヨリ(声・蒼井優)は空想癖があり、
いつも心を閉ざしてきた意地っ張りな少女だった。
祖母(市原悦子)の住む田舎に預けられたミヨリは近くの森へ。
何もない森の中で、数々の不思議な出来事に遭遇する。
自然との共生の中で、再生する少女の物語。
こういう作品、最近増えているな。
「鉄コン筋クリート」もそうだし、「河童のクウと夏休み」も。
日本人が、忘れてしまったものの中に、大切なものがあるという
メッセージがこめられている。
いわば、柳田国男の「民俗学」に通底するものだ。
戦後、日本人は歴史を否定したために、
すべてのことを現在の知識だけで考え、
自分中心に物事を判断するようになった。
これが大変な間違いで、今のような乱れた日本の国になってしまった。
日本人は今、原点に返って
もっと世の中の本当のことを知らないといけない、と。
その第一歩は、自然に戻れ、ということだ。
今の子どもたちは、新幹線に乗っても外の景色を眺めたりしない。
うつむいて「ゲーム」ばかり。
大人も「ケータイ」ばかり。本すらも読まない大人が増えて。
自然と乖離した人間は、いずれ自己崩壊の一途をたどる。
今が「気づきの時」なんだろう。
不思議なもので、
そういう作品が急激に増えてるのは、決して偶然ではないのだ。