narinattaのスイートプラン

気ままなライフ日記

華氏451度

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華氏451度

活字離れが久しくなって、
以前なら授業で「あの本読んだ?」と発問すると
何人かの生徒から反応がかえってきたものだが、
今では・・・聞くこともなくなった。
どうせ聞いても、彼らのキョトン顔を見るだけで空しくなるから。

それでも
たまに、映画化された文芸作品のことを話すと
それなりのリアクションがあるのがせめてもの救いか。

この映画、1966年にイギリスで作られたものだが、
現代の様相を暗示している。
SF小説や映画って、ときどきあまりにも「予言書」めいて
震撼とすることがある。
この作品も、その一つ。レイ・ブラッドベリ原作のSF映画

テレビ漬けにされて、考えることをやめた人間達。
消防士たちが「焚書」して回る一連の映像は、為政者が
いかに書物を有害だとして排除してきたか良くわかる。
未来も過去も同じ繰り返し。
墨塗り教科書で学習させられた日本の子ども達も然り。

ラストで、本の村(ブックマンたちの住む)の人々が、古典を
延々と朗読。本を口伝していくところが印象的だ。
何百年の時を超えて生きる本には、人の命を蘇らせるパワーが
あるのだと示唆するかのようだ。

私が『方丈記』や『平家物語』の冒頭の一節の暗唱テストを
必ずするのは、得てして的外れではないようだ。

メディア情報操作により盲目的で従順にさせられた国民が、
このたびの大震災により、いかに真実が隠蔽されていたか
気づいた時に、また「ブックマン」が蘇る。
実際に、震災地で本屋に集まる情景を見たと知らせてくれた
友人もいる。

今や本は「電子図書」として新たな岐路を求めているが、
本の匂いや手触りを「いい」と感じる私のようなものも多いだろう。
また、「本が語りかける」というセリフが映画にあったように
生き物としての「本」と交流している人々がいるかぎり、
町の本屋さんは消えないのではないか。
現に、近所のツタヤも
本のコーナーがかなりの占有率を占めている。

テレビ文化批判として描かれているとも言える
「華氏451度」・・本が自然発火する温度が451度だって。
すでに内部から自然崩壊しているTV業界は、何度だろう?
番組を盛り上げるために、
主人公をヤラセで死んだことにするTVシーンがある。
リアルなブラックユーモアで、なんだか笑ってしまった。
それを信じる「洗脳された愚者」にはなりたくないものだ。


さ、
久しぶりに、近くの温泉に行こう。
朝風呂♪で体内発火だ。