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気ままなライフ日記

月世界

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月世界

月世界本舗(つきせかいほんぽ)は、富山県にある和菓子メーカー。
鶏卵、和三盆、白双糖を、煮詰めた糖蜜と合わせ、乾燥させた菓子です。
どうしてこのお菓子を知ったかというと、
『テコちゃんの時間』という本を読んだから。
まぶしいくらいの白さ、サクッとした独特な食感。
淡雪のような、月の兎の絵柄も上品で魅力的なパッケージ♪
久世光彦さんの出身地が富山県で、このお菓子が大好きだと
書いてあって、ふっと食べたくなったのです。

「時間ですよ」「 寺内貫太郎一家「ムー」など
名作ドラマを数多く生み出し、小説家としても活躍した久世光彦さん。
これは彼の妻、朋子さんによる二人の三十年の愛情生活の回顧録です。

私、彼の関わったTVドラマ、大好きでした。
新年恒例の「向田邦子ドラマ」は、正座するような気持ちで
毎年楽しみにしていました。
黒柳徹子さんのナレーションで始まるんだった・・・。

「ムー」だったかな・・19歳頃の朋子さんが突然ドラマに出たの。
奇妙な存在感があって、よく覚えてるんだけど、まもなく
樹木希林さんが、朋子さんの妊娠を公表して、久世さんが責任をとり
TBSを辞職することになり、
希林さんと内田裕也さんとの離婚騒ぎにも発展していったんだった。
なぜ、希林さんはマスコミに公表したんだろう。
いけない関係だったとしても、黙して語らなければ、
久世さんの人生は、急転することはなかったはず。

それから朋子さんの姿はメディアから消え、
久世さんと正式な婚姻関係になるまで
相当な苦労を強いられたと察する。

でも、この本には
そういう泥沼劇が皆無で、シルキーな手触りを感じた。
さりげない、朋子さんの日々を愛おしむ丁寧な筆致が
とても清々しいのだ。
私、
朋子さんを誤解していた。長い間ずっと。

久世さんと暮らした日々は、澄み切ったやさしさにあふれていて、
毎日の献立や料理のあれこれを読むにつけ、
朋子さんが、まぎれもなく輝きに満ちた夫婦の愛を育んだとわかる。

なにしろ彼女の手料理は 美味しそう。

久世さん、幸福な半生だったんだ、と感じた。
彼の書くドラマに、食事の場面が多かったのも納得。
「月世界」は、幸福の象徴でもあったのだ。

もう一度
久世さんのドラマを見たい。
TBS,オンデマンドで見せてくれないかな。
樹木希林さん演ずるおばあさんが
「ジュ、、ジュリーーー!!」と身もだえるシーン(笑)が
たまらなく なつかしい。。