床の間男、それは夫です。
まるで明治時代に生まれたような、星一徹キャラ。
若いころ、何遍テーブルをひっくり返されたことか。
「こんな料理、食えるか!」
時々、なんでこの人と連れ添っているのか、
わからなくなります。
なにしろ、他人に厳しく自分に甘い。
昨日も、庭師さんが「イチイの木」をチェーンソーで
剪定したのに腹を立て、「できないなら帰れ!!」
暴言を吐き、若い人ひとりを帰してしまいました。
「今まで何人も庭師を頼んだが、チェーンソーなんて
前代未聞だ!!」と怒る怒る。
庭木は繊細なんだから、手で剪るのが当然という夫の
言い分もわからないではありませんが、
せっかく紹介していただいたのに、申し訳ない気持ちで
いっぱいです。
もう、その庭師さんには頼めません。
NTT職員、看護師さん、電気屋さん、郵便局員、
シェフ、町内会、私の実家などなど・・・
いろんなガチンコがありました。
自分が正論を言っているのだからと、1歩も譲りません。
プロならプロらしい仕事をしろと。
カッコイイ~!と若い時には、思うこともありましたが、
もういい年になってもそれだから、「床の間男」さまさまです。
なのに、人のことを「何様のつもりだ~」よばわり。
こっちは、仕事を終えて帰ると、誰とどんなバトルを
繰り広げたか、さんざん聞かされるのです。
たいていは、ふんふん聞き流していますが、流し方が雑だと
矛先がこちらに向けられます。
過去世が、ヨーロッパの刑務所の看守だったせいでしょうか。
夫は、父である私の娘だった時もあります。
「電車男」のせつないハートは、人を感動させますが、
「床の間男」の夫は、人を凍らせます。
今日も帰れば、どんなバトルが待ち受けているのやら・・・
今夜も私は、涙で枕をぬらすのでしょうか~。