砂渡し爺
「砂かけ婆(ばばあ)と砂渡し爺(じじい)」
水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』には無数の妖怪が登場する。
古来からの伝承歌「かごめ歌」の謎解きはつとに有名だが、
日本人が忘れてしまった大切なメッセージが
鬼太郎を通して発せられている気がしてならない。
千年の時を経て蘇った悪霊が、我々に何を訴えたいのか。
土着妖怪の持つ独特な土の匂いを嗅いだ現代人は、
失われた「不思議」の魔力に魅せられてしまうのだ。
人間の業の深さを、
妖怪たちが「ばかものめ!」と叱るところがいいねぇ。
叱られた経験のない子どもたちが増えて、
先生たちは困ってしまいますよ。たまには、
砂かけ婆に砂をかけられてみてください。
きっと何かが変わるでしょう。
砂かけ婆には、旦那様がいます。
砂渡し爺と言います。砂をかけると砂がなくなるので、
せっせと補給して婆に砂を渡す旦那様です。
ちゃんと歌もあります。
♪白い着物が良く似合う
大きな瞳に僕は狂う
人は砂かけと言うけれど 僕はそうは思わない
いつもそばにいるよ 君に砂を渡し続ける
それが僕の幸せ 砂渡し 砂渡し
もらうことはない もらうことはない・・・♪
(作詞 板尾 創路)
閉塞した世の中に、こんな熱愛系のラブソングがあったとは。
無私の愛を貫く砂渡し爺の姿に、
人類の未来を救う大きなヒントがあるのではないかと、
ひそかに思うわけです。(笑)
砂渡し爺の歌 →http://www.youtube.com/watch?v=uKpAKutgRho